未経験でシステムエンジニアになろうと考えている人
「システムエンジニアって未経験でもなれるの。システムエンジニアって、どういうスキルが必要なの」
こういった疑問にお答えします。
この記事を読むことで、「新卒でシステムエンジニアになろうとしている人や、転職でシステムエンジニアになろうとしている人が身につけるべきスキル」をイメージできるのではないかと思います。
では、早速解説していきます!
システムエンジニアに必要なスキルセットとは?
システムエンジニア(以下、SE)に必要なスキルとして、プログラミングのスキルをイメージする方も結構いると思います。実際は、ほとんど必要ありません!
もちろんできるに越したことはないと思いますが、昇格や出世のためにはもっと他のスキルが必要になります。特に、大手企業になればなるほどその傾向が強いです。
では、実際にはSEにはどのようなスキルが必要なのか4つ(必須スキル3つ、推奨スキル1つ)紹介します!
対人スキル
必須スキルの1つ目は「対人スキル」です。
対人スキルとは、「コミュニケーション能力」と「プレゼンテーション能力」のことです。それぞれについて、どのような場面でどういう理由で必要なのか解説します。
コミュニケーション能力
SEの業務は顧客が欲しているシステムを納めることです。そのため、顧客が何を欲しているのか、ヒアリングして引き出す必要があります。
「顧客の要望を引き出すの営業の仕事でしょ?」
と思われる方もいるかもしれませんが、営業は案件を獲得するまで。SEは案件を獲得してから。というような役割分担がされていることが一般的です。
そのため、案件を獲得してから詳細の要望を聞き出し、システム要件に落とし込んでいくのはSEの仕事となります。この時に顧客がどのようなことを欲しているのか、真のニーズを引き出すことが非常に重要であり、「この人にはなんでも相談できる」というような信頼関係を構築するためにコミュニケーション能力が必要です。
「顧客とのコミュニケーションを円滑にすることだけに注意すればいいの?」
対顧客のみならず、内部でのチームビルディングという観点でもコミュニケーション能力が必要です。システムを構築するというのは、一人では決して成し遂げられません。そのため、チームメンバーと一緒に仕事をすることが必要になってきます。
チームメンバーは、経験年数や得意分野、性格等、みんなバラバラです。そう言ったメンバーと一つの目標に向かっていくためには、時には指導することや自分の意見を述べることも必要です。
その様な時に、いかに相手を不快な思いにさせずに自分の言いたいことを伝えられるかが重要です。
プレゼンテーション能力
「SEって、プレゼンが上手じゃないといけないの?」
と疑問に思ったかもしれませんが、プレゼンテーション能力とは、スティーブジョブズの様に相手を惹きつけるプレゼンをするということではなく、「顧客の立場に立って、適切な提案ができる能力」のことです。
話すことが上手ではなくても、相手の求めていることを理解し、こちら側の理解を伝えると同時に相手に適切に提案することができれば、プレゼンテーション能力が高いといえます。
対人スキルとして求められるのは、
<コミュニケーション能力>
・顧客から真のニーズを引き出す
・相手を不快にせずに自分の言いたいことを伝える
<プレゼンテーション能力>
・顧客の立場に立って、適切な提案ができる
です。
ドキュメンテーションスキル
必須スキルの2つ目は「ドキュメンテーションスキル」です。
ドキュメンテーションスキルとは、要するに「文書・資料作成能力」のことです。
文書・資料作成能力
システムエンジニアは、案件を獲得する前後に様々な場面で顧客に対して文書を作成して提出する必要があります。
「語彙力とか、文才がないんだけど大丈夫かな。」
こう言った不安を抱く方もいるかと思いますが、大丈夫です。顧客によってお作法がある程度決まっていますし、入社後に先輩が教えてくれます。
また、システムエンジニアが文書・資料を作成するタイミングは、
- 提案書作成
- 設計書
- 手順書
- 納品書
- 作業報告書 等々
なのですが、基本的に文才を発揮する様な場面はありません。箇条書きであったり、技術的な内容を記載することが多いです。強いてこの中で、私自身が意識して勉強したのは、パワーポイントを使った「提案書作成」するノウハウです。
案件をとるために、見やすくかつわかりやすい提案書を書くことが必要です。
一方で、システムエンジニアの方は傾向として綺麗にデザインよく資料をまとめるということが得意ではない人が多かったため、他の人と比較して良い意味で目立つ様に、パワポ資料作成術を勉強しました。
自分自身、単純にパワポで資料を作成することが好きだったので、それを伸ばしただけなのですが、上司からの評価という点で非常に有効だったと思います。
私が勉強に使った書籍
参考)…一生使える見やすい資料のデザイン入門 プレゼン資料が劇的改善 [ 森重湧太 ]
IT専門スキル
必須スキルの3つ目は「IT専門スキル」です。
IT専門スキルって、IT関連の知識を広く習得すること?
IT専門スキルというのは、ITの知識を広く浅く習得することではなく、「自分が得意だと言える専門領域を作る」ことをここでは定義します。
ITと一言で言っても、領域は多岐にわたるため、自分の得意だと言える領域を作らなければ、中途半端な知識を身につけるだけでは、淘汰されてしまうリスクがあります。
そして、現時点でオススメなのは「クラウド」と「セキュリティ」の専門知識です。それぞれオススメの理由を解説していきます。
クラウド
コロナウイルス(COVID-19)の影響で、テレワークが急激に進み始め元々オンプレミスにあったシステムもクラウドに移行する動きが加速していて、クラウド業界がまだまだ成長段階にあると考えています。
コロナ禍の決算では、日本企業を始め軒並み赤字決算がなされていた中で、Amazon、Google、Microsoftは黒字決算を発表しており、クラウド業界が伸びていることがわかります。
今後も伸びているクラウド領域の知識をつけることで、これからクラウドへシステムを移行しようとしている会社やクラウドの機能をより充実化させようと考えている会社から欲しがられ、どこにいっても活躍できる人材になれると考えています。
AWS(Amazon)、GCP(Google)、Azure(Microsoft)には初級から上級まで資格も用意されているため学習の目標としてみると良いかなと思います。
セキュリティ
システムを構築する時に常に必要とされるのが、「セキュリティ」です。
オンプレでも、クラウドでもセキュリティは考えなければならない要素、いわばITの必須要素であると言えるかと思います。
ビデオ会議ツールZoomにセキュリティの脆弱性があったことが記憶に新しいですが、どんなに優れたシステムやツールでも脆弱性があると、「このシステム・ツールは使いたくない」と世間に広がってしまい、信頼を取り戻すのはかなり時間がかかります。
また、最近テレワークが浸透している中で、多くの企業がセキュリティ対策に追われており、転職サイトの求人を見てもセキュリティ関連の求人は非常に多くなっています。
セキュリティに関しては、情報処理安全確保支援士、CISSP等のセキュリティ資格が充実しており、取得していないとセキュリティ専門家として信頼されないため、まずは資格を取得するところから始めるのが良いです。
<IT専門スキル>
・自分が得意だと言える専門領域を作る
→特に今オススメなのは、業界として成長しているクラウド領域とITに不可欠なセキュリティ領域
英語
最後は必須ではありませんが、推奨スキルとして「英語」をあげたいと思います。理由としては、下記2点。
1. ITの最新動向を海外の記事やサイトから取得するため
2. 同期や同僚と差別化を図るため
ご存知の通り、日本より米国の方がIT産業は発展しており、最新技術の情報は米国から入ってきます。そう言った最新情報を顧客への提案に盛り込んだりすることで、ライバル企業との差別化ができます。
また、国内SIerで自分が得意なIT専門スキルを持ちながら英語が得意な社員というのは多くありません。そのため、「IT専門スキル×英語」で自分の価値をより最大化できます。
実際に私の会社には、技術力だけでは自分より詳しい人は多数いますが、英語もできるという人は全然いませんでした。そのため、自分のポジションを確立できました。
TOEICスコアの目安としては、IT専門知識がある前提として700~800点あれば十分だと思います。別記事では、入社当時TOEIC400点台だった私が1年で300点UPさせた方法を紹介しています。
まとめ
SEに必要な「必須スキル3つと推奨スキル1つ」を自分の経験をもとに紹介してきました
システムエンジニアは、プログラミングをするよりも、顧客とのコミュニケーションを重視した職種です。そのため、入社後に学ぶことが圧倒的に多いです。
実際、私も未経験の状態で大手SIerに入社しましたが、自分のポジションを確立できたので、未経験の状態でも、学ぼうとする姿勢さえあれば活躍できると思います。
皆さんが活躍できることを祈っております。
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