<CISSPの独学合格を目指している方>
- 独学でも合格できるのか。
- 結局どの問題集を購入すれば良いのか分からない。英語の問題集で勉強した方が良いのか。
- 問題集だけでなくて参考書も必要なのか。
- 独学合格に向けた勉強方法が分からない、難しい用語・分からない用語が多すぎて、覚えられない。
- 周りにCISSPに合格した人もいない。どのくらい勉強すれば合格できるのだろうか。長期間の勉強をするモチベーションが続かない。
こういった悩みを抱えている人に対して、
2020年5月にCISSP試験に独学で合格した私自身の経験をもとに
- 活用した4つの教材(問題集および参考書)
- 問題集および参考書の活用方法
- 効率的に重要用語を暗記する勉強方法
- 長期間勉強を続けるモチベーションを維持するコツ
- 独学合格までの総勉強時間
を紹介したいと思います。
独学でCISSP試験に合格したい人は、必見です!かなりボリュームがある記事となっていますので、目次から知りたい情報にアクセスしていただければと思います。
CISSPに独学で合格するための問題集と参考書4選!
ここでは、
私がCISSP試験に独学で合格するために利用した2つの問題集および2つの参考書を紹介します。
どの問題集も参考書も電子版での購入をオススメします!電子版であれば、
・検索機能を利用することで、分からない用語をWebですぐに調べられますし、
・理解度に応じて色別に分類できるためです。(詳細は後述します!)
個人的な所感ですが、
今回紹介する問題集や参考書以外は、基本的には必要ないかと思います。
CISSPの問題集や参考書は他にも英語の書籍が充実しており、Conrad本といった参考書(英語)もおすすめしている人がいますが、その情報は日本語の参考書や問題集が充実していなかったときの古い情報であるため注意が必要です。
たくさんの教材を購入するよりも最小限の教材をフル活用して、分からない用語がなくなるまで、分からない問題がなくなるまで、使い倒しましょう。
独学に必須な2つの問題集
①書籍名:CISSP公式問題集【電子書籍】[ マイク・チャップル ]
発売日:2019年07月
活用した時間:150時間
オススメ度:★★★★★
この問題集はCISSPに独学で合格するためには必須の問題集です!この問題集に一番時間をかけました!
この問題を何周もすることで、分厚い参考書を読み込むよりも重要な用語を覚えられますし、出題される問題を説いていく過程である程度知識をつけることができます。
②書籍名:CISSP Exam Cram【電子書籍】[ Michael Gregg ]
発売日:2013年02月
活用した時間:38時間
オススメ度:★★★★☆
この問題集は、発売から少し時間が経ってしまっていますが、最新の問題集とは違った視点で問題が掲載されているため、苦手分野を補うといった観点で非常に有効でした。問題数も1,038問掲載されています。
上記①の公式問題集を解いていく中で判明した私の苦手な分野(ドメイン)だけを中心に問題を解いて更に知識を深められました。
正直、①と②の問題集を8割から9割ほど回答できるようになれれば、他の問題集や参考書は必要ないかと思います。しかし、②の問題集のExam Cramは”英語のみ”となっているため、英語の1,000問の問題を何周もするのは、本質ではないところでかなり時間を食ってしまいます。
そのため、②の問題集は①の問題集の補完的な役割として活用することをオススメします。
独学での知識習得をサポートする2つの参考書
③書籍名:新版 CISSP CBK公式ガイドブック [ アダム・ゴードン ]
発売日:2018年09月
活用した時間:89時間
オススメ度:★★★★★
この書籍は日本語で読める参考書としては最新のもの(2020年6月時点)です。
私は、この参考書を全部通して読むことはしませんでしたが、①の公式問題集を解いていく上で分からない単語が問題文や選択肢に有れば都度調べ周辺も併せて熟読するようにしたり、辞書代わりに使ったりしました。
また、各章末に数10問の問題も掲載されているため、この問題も試験対策問題集として理解する様にでき、かなり有用でした。忘れずに解く様にしてください。
④書籍名:暗号技術入門 第3版秘密の国のアリス【電子書籍】[ 結城 浩 ]
発売日:2015年09月
活用した時間:不明
オススメ度:★★★☆☆
この参考書は完全に辞書として利用しました。CISSPでは、普段聴き慣れない暗号の用語が頻繁に出てきますし、普段聴き慣れている暗号用語についても深い知識が問われる場合があるため、
暗号に関して苦手意識がある場合は、購入しておいた方が良いかと思います。
独学合格のための問題集&参考書の活用法
ここまで、CISSPのために私自身が利用した2つの問題集と2つの参考書を紹介しました。
ここからは、それぞれの教材をどの様に利用したか、紹介したいと思います。
1周目(分からない問題と重要用語のあぶり出し)
まずは、①の公式問題集を1周し終えるまで、ひたすら問題を解きました。
1問1問答え合わせしながら自分の理解度に応じ、電子書籍の機能を使って問題に下記の様な形でマーキングする様にしました。
1,300問以上ある膨大な問題を何周もすることが必要なため、1周目・2周目は
理解できていない問題を明確にするよりも、”復習する必要のない問題はどれなのか”を問題集の中で明確にするといったことを意識して問題集に取り組んでいました。
上図の通り、私は問題集の1周目は全体正解率51%・模試1の正解率52%というCISSP独学合格には程遠い結果でした。
2周目(分かった問題の再確認)
1周目で、分からない問題と用語のあぶり出しを実施し、その中で”自信を持って正解できた問題”に関しても明確になったかと思います。
しかし、公式問題集の2周目をする頃には、考え方や知識に少なからず変化が現れているはずだと思います。
そのため、1周目で正解できた問題が本当に理解できているか確認するためにマーキングされていない問題を再度回答することにしました。
実際、1周目で自信を持って正解できた問題でも、2周目では不正解だった問題もありましたので、この作業は必要かと思います。不正解だった問題については、1周目同様のルールで再度マーキングをし直しました。
また、併せて黄色でマーキングした問題文や選択肢の中の分からない用語をWebや参考書を参照し、用語の理解に努めました。
問題集の2周目で、全体正解率71%・模試2の正解率74%となり、CISSP独学合格に少し近づいた気がしました。
3〜4周目(ひたすらマーキングされている問題を解く)
ここからはひたすら、自分が完璧に理解できなかった(色付きマーキングされている)全ての問題を復習しました。
自分の理解度に応じて、「オレンジ→ピンク→青色→マーキングなし」という様に、理解できていない問題がなくなる様にしていきました。
私の場合、暗号関連(ドメイン3)、セキュア開発関連(ドメイン8)に苦手意識を感じていたため、Exam Cramを利用して、苦手意識のあったドメインを中心に追加で学習しました。
最終的には全体正解率89%・模試4の正解率74%になるまで理解することができ、CISSP独学合格に向けて自信がつきました。
CISSP独学合格のための勉強方法【難しい用語の覚え方!】
CISSP試験を受験しようと思っている方にとっては、当たり前の情報かもしれませんが、CISSPで合格するためには、セキュリティに関する”広く、ある程度深い”知識が必要であると言えます。
その証拠にCISSPの公式参考書だけでも総ページ数は2552ページあり、暗号分野に関しては、聞き覚えの用語がよく出てきますし、暗号規格によってどの様な脆弱性があるのか等々理解しなければなりません。
よくCISSP合格のためには、「CISSPとしての考え方を理解する必要がある」と言いますが、正直知らない単語があるとCISSPとしての考え方もクソもありません。
なので、知らない用語をなくすことを意識した勉強方法を考える必要があります。
では、どの様に多数の用語を効率よく覚えていったのか紹介したいと思います。
前述の通り、CISSP公式問題集の中で分からない用語があったら、全て黄色でマーキングし、Excelにメモし都度公式ガイドブックを利用して意味を調べる様にしていましたが、いつでもどこでもそのファイルを見て復習できる様にしたいなと考え、Ankiというアプリを使っていつでもどこでも重要用語が復習できる勉強方法にしました。
Ankiというアプリは、いわゆるこの絵の様な自作の”単語帳”の電子版のことだとイメージしてくれればわかりやすいかと思います。
Ankiには、パソコン版とスマホ版の両方があり、ExcelでまとめたファイルをCSVに形式に変換して、パソコン版でインポートすることでスマホでも見られる様になります。
AnkiMobile Flashcards
Ankitects Pty Ltd¥3,060posted withアプリーチ
Ankiの使い方については、別記事にて紹介しようと思いますので、今回は割愛します。
最終的には、Ankiに合計400以上のCISSP公式問題集内の用語を登録し、通勤電車やカフェ等で学習し、試験当日までには全ての用語を理解することができていました。
このアプリを使った勉強方法は非常に有効で、上図の通り各ドメインごとに用語を分けて登録、復習することができますし、暗記できているかできていないかに応じて、下図の通り”何分後”あるいは”何日後”に用語を再表示(復習)するか選択できました。
この様に反復練習することで、”短期記憶から長期記憶”に移行でき、記憶が定着していきました。下記引用にもあるとおり、かなり合理的な勉強方法だったと言えます。 (このAnkiを用いた勉強方法はいかなる勉強にも有効そうです。)
短期記憶は、約15秒間~数分程度しか保持されない。
https://h-ns.net/dictionary/sick/sick06/記憶のメカニズム%E3%80%80-短期記憶と長期記憶―
長期記憶へとつなげるためには反復学習が必要。勉強で学んだことを何度も繰り返し、復習するわけです。短期貯蔵庫に一時保存された情報を繰り返し復唱して記憶を強化する過程がこれにあたります。
CISSP独学合格に向けた勉強継続のコツと勉強時間
何千ページある参考書を読んだり、何千問ある問題集を何周もしつつ、用語を暗記していこうとすると、
数ヶ月に渡って、勉強を継続しなければなりません。継続しないと逆に記憶や考え方が脳から離れていってしまいます。
なので、ここではどの様に勉強を継続させたのか(モチベーションを維持していったのか)、また最終的に合格までどのくらいの勉強時間を要したのか紹介したいと思います。
勉強継続のコツ
数ヶ月もの間、勉強を継続(モチベーションを維持)するためには、
努力を見える化し自己満足すること
が必要だと考えています。そのために私は、自分の学習時間を見える化しようとStudy Plusという”学習管理アプリ”をインストールし、日々CISSPの問題集や参考書の学習時間を記録する様にしていました。
Studyplus(スタディプラス) 日々の学習管理に
Studyplus Inc.無料posted withアプリーチ
利用法は非常に単純で、下図の様に自分の勉強する予定の教材をアプリ上で検索・登録して、自分が勉強した時に「何時間どの教材を勉強しのか登録するだけ」です。
独学合格までの勉強時間
このアプリで記録をした限りだと最終的には、270時超勉強しました。
(暗号技術入門のアリス本は、辞書として活用していたので、個別には記録していません。また公式問題集に関しても日本語版で学習しておりましたが、Study Plus上では面倒くさがって、英語版で勉強したかの様に記録しております。ご容赦ください。)
正直、参考書を読みながらウトウトしていた時もありますし、必ずしも毎回の1時間が濃い内容だったとは言えませんので、
200−250時間くらいが勉強時間の目安
になってくるのかなと思っております。もちろん、個人によってバックグラウンドの知識や経験は様々だと思うので、それより少なくなったり多くなったりすることはあるかと思います。
ちなみに私はここ数年は、エンジニアとしてインシデントレスポンス関連の業務をしていますが、それまではサイバーセキュリティ事業の新規開拓をミッションとしてプリセールスを担当していたので、そこまで技術に詳しいというわけではありませんでした。
まとめ
今回、下記の内容を紹介しました。
これらの情報によって、みなさまがCISSP試験に独学で合格するための一助になれば幸いです。
補足
その他、CISSP独学合格に向けた情報や合格した後の手続きについても別の記事で解説しています。
ご参考までにしてください。
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